「火葬場での助六寿司」

あんちゃんの母親の死

言わないで

母親の葬儀に参列した人からは

「まだ65歳なのにね。」

「若いのに気の毒に・・・」

という声が聞こえました。

当たり前の声です。

しかし私は、「そんな風に言わないで!」と思いました。


母は好きなカラオケ、ゴルフを楽しみ、

ドレスを着てステージで歌ったり、

デパートで洋服を買ったり、好きな事をして過ごしていました。

父親も「お母さんはどんだけお金があっても足りない人だわ」

と笑っていたくらい、人生を楽しんでいました。

若い頃、化粧品の販売もしていた母親は常にお手入れをし、

身ぎれいにしていました。

孫がいたので、おばぁちゃんですが、

シワシワにならずに、若々しいままで亡くなった事は

母のプライドでもあったかもしれません。


火葬場へ

火葬場へ行きました。

もう、本当にお別れです。

泣き叫びたいところですが、我が家は代々、

「身内は一歩控えること」

という教えを引き継いでいました。

お別れをしてくださる方お一人お一人に対して

取り乱す事なく頭を下げてお礼をしました。

いつも一緒にカラオケに行っていた母の妹さんが

「また一緒に歌おうね」と肩を震わせて泣いていた姿に

また涙が溢れてきました。

火葬の間、待合室では昼食の「助六寿司」が出ました。

お腹も空いていたので、食べようとしましたが、

やはり食べる事はできませんでした。

母の死後、何回か助六寿司を食べる機会がありましたが、

どうしても火葬場を思い出してしまい、

「助六寿司」を食べる事はできなくなりました。




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