コロナで亡くなる

介護職のあるある

まさか・・・

今年の春、98歳の男性がコロナウイルスに感染し、亡くなりました。
2月までデイサービスに通われていましたが、98歳という高齢で、デイサービスに通う体力もなくなり、特別養護老人ホームに入所されました。
デイサービス最後の利用の際は、「卒業式」を行いました。

元公務員で、ジェントルマンで、礼儀正しく、賢い方で、知識もあり、ユーモアもあり、大好きでした。昔の事はよく覚えていらっしゃり、戦争で満州に行った事、終戦は北海道で知った話などをしてくださいました。満州では凍傷で命を落とした先輩がいたと話され、お兄さんは戦死されたそうです。
98年もの間、色々なご自身の歴史もあったでしょう。いつも軍歌を歌われ、いつの間にか私も何曲も軍歌を覚え、一緒に歌っていました。
しかし、まさか・・・。


新型コロナウィルスに感染

その方が入所された特別養護老人ホームで、コロナウィルスのクラスターが発生したという情報が入りました。感染者の中に、その方は感染者の中には入っていませんでした。
しかし、2週間後、感染し入院したと聞きました。血中酸素飽和濃度が90%以下となり、かなり重症であると聞きました。その時点で、「もう退院は難しい」と正直思いました。
でも「コロナに負けないで。コロナは完治して、せめて老衰で・・・」と毎日祈りました。
先に老衰で逝ったデイサービスで仲の良かった女性にも「助けて。コロナは乗り越えさせて」と頼みました。
しかし、祈り、願いは届かず、死亡理由は「新型コロナウィルス感染」となってしまいました。
「98年生きてきて・・・。戦争も乗り越え、大正、昭和、平成、令和を生き、最期はコロナ・・・」
なんとも言えない、なんとも言い表せない気持ちでした。

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