「しょんべんが凍る」と話すおばぁちゃん

あんちゃんの介護職デビュー当時

認知症は同じ話を繰り返す

よく日に焼け、顔のシワが人生を物語っているような女性利用者がいました。地域の中でもいわゆる「町」と「田舎」と分かれますが、「田舎」で農業をされていた方です。一生懸命に畑仕事をされてきた「手」をされていました。その方の口癖は「ワシんとこの銀杏はこんなに粒が大きかったでよぉ。市場の人の取り合いだったわ」でした。その顔は自慢というよりも苦労したという泣きそうな顔でした。
職員が近くを通るたびに、服を引っ張って、また同じ事を話します。
また、何度も「しょんべん、連れて行って!」と頼んできます。女性なのに、しょんべん(小便)と言うということが、年代と地域性の表れであると思います。
「しょんべん、チビるとよぉ、息子が怒るんだわ」と、これまた何度も言います。30分に一度はトイレにお連れした記憶があります。
実際のところ、本当にしょんべんをチビったら、怒る息子さんなんだろうか・・・?
送迎の時に息子さんに会ったら・・・「あら、言いそうな方(◎_◎;)」

過食

そして、この話も何度も何度もされました。戦争時代、満州に行かれていたそうで、「満州はよぉ、寒くて、しょんべん(小便)した途端に凍ってしまうよ」でした。
これまた半べそ状態で訴えられました。その方が笑ったことはないと思います。常に眉間にシワを寄せ、泣き顔で同じ話をされました。しかし、「寒くてしょんべんが凍ってしまう」という表現は、戦争時代の苦労を物語っていました。

さらに、いつも食欲旺盛で、食事が配膳されると、他人の食事だろうが、サッと手が伸びるのでした。
そして、デイサービスの年末年始のお休みの後、久しぶりに送迎に行きました。するといきなり、湯水が溢れるように、「ブワー」と吐かれました。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ~。どうしたの?」とにかく、大量に嘔吐されました。何か重大な病気か?すぐに救急車を呼びました。まだオエオエ吐かれていましたが、救急隊員にお任せし、次の方の送迎に向かいました。
その後、どうなったかと言うと、お正月に食べすぎたようで、それが原因で吐かれたようでした。
息子さん曰く、「吐いて当然だわ!餅もどんだけ食べたか。」との事でした・・・。
そう、過食も認知症状の「周辺症状」の一つでした。満腹中枢が正常に機能しなくなります。
息子さんは「お前がどんどん食べさせるでいかんのだわ!」とお嫁さんに怒っていました。お嫁さんは、「だっておばぁちゃんが、お腹空いたって言うから・・・」
「バカ野郎!あんなに食べてお腹が空く訳ないだろう!」とさらに息子さんは怒っていました。
認知症状について、家族はなかなか理解が出来ない人が多いです。そしてお嫁さんは姑さんが食べたいというのに、出さないワケにも行かないですよね・・・。

認知症の中核症状・・・物忘れなどの記憶障害・日付や自分がどこにいるのかわからない見当識障害
           理解力、判断力の低下
認知症の周辺症状・・・徘徊・幻覚・不眠・過食などさまざま


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