「生活相談員のやりがい」②現役時代の回想

生活相談員のやりがい





Aさんを現役の世界へ

前回の投稿はこちら↓

頑固な90歳Aさんは順調にデイを利用しました。

昭和初期に

鉄道会社に勤務をしていたため、

年金はまずまずあったようで

介護負担割合は3割でした。

しかし、

戦争を体験している事もあり、

常に質素な生活をしていました。

破れた下着は自分で縫って着ていました。



鉄道会社に勤めていた頃の事を

懐かしく話す事が多く、

真面目に勤めあげていた事が

よく伝わりました。



その時のAさんの表情は

とても活き活きとしたものでした。




ある時、少し離れた場所に

Aさんが勤めていた鉄道会社の

博物館があるのを発見しました。

「Aさんを連れて行ってあげたい!」


鉄道博物館へ

デイからの「遠足」という建て前で

車で1時間くらいの

鉄道博物館へ行きました。


Aさんは興奮気味で

「あの制服、懐かしいな」

「あの駅にワシはおったんだ」

と、制服や駅名の看板などを

見て回わりました。


運転席の再現もあり、

ブレーキやレバーの操作を

思い出していました。


「お連れして良かった!」

心からそう思いました。



博物館の方ともお話が盛り上がっていました。


Aさんは「家に制服がたくさん取ってあるんだけど

ここに寄付をしようかな」と

言い出しました。


博物館の方も

「ぜひお願いします!」と

Aさんにお願いをされ

決定しました。



後に私が代わりに

お礼のお手紙と一緒に

Aさんの制服を配送しました。


Aさんもご自分の制服が

博物館に展示される事を

大変喜んでいました。

ご家族からもとても

感謝をされました。



このような事が

私の介護職として、

生活相談員としての

本当にやりがい、

魅力となることです。





Aさんとのお別れ

Aさんはその後、老衰で食が細くなり

入院となりました。


お見舞いに行った時には

会話は出来ませんでしたが、

Aさんの書いた、とてもお上手な

習字を見せると

ニッコリと笑ってくれました。


あの時の笑顔は

今も目に焼き付いています。


それから数日後、

リハビリの最中に

静かに息を引き取ったそうです。


ちょうど、今日のような穏やかな

4月の朝でした。





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