グループホーム
次の職場はグループホームでした。グループホームは認知症の利用者が共同で生活する場です。食事や洗濯、家事、買い物など、出来る事を役割としながら、炊き立てのご飯やみそ汁の匂いがプ~ンと漂う家のような場所である事が前提です。
経営者、管理者、先輩スタッフ、皆さん認知症の方への対応が素晴らしかったです。
しかし、私が勤務したグループホームは、かなり重度の認知症の方ばかりで、きっと他の施設では車椅子に乗せられているであろう利用者を手引き歩行で介助したり、少し触れると皮膚が破れてしまう方、全く意思の疎通が出来ない方が何人かいらっしゃいました。
ある利用者は、洗面台で歯磨きをし、終わって振り向くとトイレがあるため、何度も何度も歯磨きとトイレを繰り返していました。トイレの介助は必要なため、何度も何度もトイレの付き添いをしなければなりませんでした。
そして、「ご飯頂いたかしら」と何度も何度も聞いて来られました。紙に「ご飯は終わりました」と書いてあっても、何度伝えても、ずっと同じ事を繰り返し聞いて来られました。
ある夜、ヒタヒタと歩く音が。真っ暗な廊下の先に白髪の女性利用者が立っていました。一人でブツブツと何やらつぶやいていました。「お墓がよぉ」「骨壺が」などという言葉が聞こえてきました。
ゾッとしました。時々、便が壁塗られていたり、ご飯を靴の中に入れて食べてしまったり、会話は通じない方でしたが、後に「あんたはいい人だね」と言ってくださった事をよく覚えています。
そんな方々の食事介助、口腔ケア、トイレ介助、入浴介助、就寝介助を行って帰宅すると、体を使いすぎて、疲れすぎて眠れず、ただグッタリと固まってしまう日々でした。
ヤバイ先輩
ある先輩スタッフに付いて遅番勤務をしました。ファイルを机に投げて「これ、早くやってよ!私だって早く帰りたいんだからね!」と、今どきこんな性悪な人いるの?という感じの人でした。
他の先輩は皆優しく、大変な時は教えてくれつつも一緒に介助をしてくれました。
しかし、性悪な先輩は、口で言うだけで、実際にベッド介助などを見せてはくれませんでした。
なんとか時間内にカルテ記入も終わったのですが、先輩は眠れなさそうな利用者と楽しそうに話していました。「もう夜勤のスタッフに任せて帰ろうよ。早く帰りたいって言ってたじゃん」と思ったのですが、他のスタッフによると「あ~やって、残業代稼いでいるんだよ。しかも夜勤大好き」との事でした。そーゆー事ね・・・。
上司や他のスタッフがいなくなると、利用者への口調がコロリと変わりました。
「もう!早く寝てよ!」や「食べないなら片付けるよ!」と常に利用者に怒っていました。
その先輩は他にも問題がありました。しかし、皆も、会社も目をつむっていました。そう、介護業界は人手不足。夜勤をやってくれる人材は貴重なんでしょう。
いくら介護技術が素晴らしい職場でも、利用者に暴言を吐いたり、ムダな残業してお金もらっている職員を許しているところで働いていていいんか?
2週間で辞める事にしました。あえて本当の理由は言わずに、家庭の事情という事にしました。
数年後、このヤバイ先輩は他の職場で私に部下になりました。
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