「K子さんを美容院へ」～連れて行く理由～

デイサービスの利用者さんの家でのお困り事を

解決したい事がきっかけで

自費サービス事業も始めました。

それだけでなく、

利用者さん、家族の「やりたい」「なりたい」を

叶えてあげるお手伝いをしたいと切に思いました。

究極の「尊厳の保持」「社会性の維持」を手伝いたい！

単なる、いち介護職ではなく、

さらにプライドを持って介護がしたいと思っています。

介護職のイメージって

「３Kだし、大変だね」と言われがち。

3K=汚い　きつい　給料安い

「大変だね」って言われるのは好きではないです。

別に大変ではないもん。


K子さんは中重度の認知症。

「宇宙語」を話している事が多いです。

1人芝居もしょっちゅう。

ADLのチェックでは「意思の疎通困難」にレ点が入ります。

しかし、ある日

「私ね、くるくるパーになってしまってから

みんなが離れて行ったの」と言いました。

これには衝撃を受けました。

K子さん、わかっていたんだ・・・。

体操教室の先生をしていて、

子供から高齢者まで、たくさんの人と関わっていたのに

認知症になってからは、

教室も閉めて社会との関わりが途絶えてしまいました。

その言葉を聞いたご主人も、私も胸が痛くなりました。

K子さんはとってもスタイルが良くて美人です。

所作しょさもキレイです。

でもご主人は美容院へ連れていく事が出来ず、

２年の間、髪の毛は伸び放題で、

ボサボサで白髪まじり。

「キレイにしてあげたいんだけどね・・・」と

ご主人が言いました。

「よっしゃ！あんちゃん美容院へ連れてくよ～！」

「えぇ～。無理だよ。じっとしていないし。他のお客様にも

迷惑だよ。店も嫌がるだろうし」

「大丈夫！！」

なぜか私には

K子さんを美容院へ連れていっても

大丈夫だという確信がありました。

これが、K子さんを美容院へ連れて行く事になった理由です。

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