「電車の運転手だったAさん」

忘れられない利用者

今から7年前に

デイサービスを利用してくれていた

当時90歳のAさん。

奥様がデイサービスに行き始め、

ケアマネがAさんもデイを勧めました。

戦争を経験していたAさん。

地元の私鉄電車の運転手を真面目にされていた方です。

おとなしそうで、趣味もなく

質素に生活をしてそうでした。

デイに来て何をしてもらったらいいんだろう、

という感じの人でした。

しかし、話をしてみると

なんとお習字と水墨画をやっていた事がわかりました。

腕前は素晴らしい!!

習字教室では70代の女性から

「お上手ね~」と言われて

とても嬉しそうでした。

Aさんは電車の運転手をしていた時のことを

誇らしげに話してくれていました。

その私鉄電車の博物館が

車で1時間のところにありました。

その博物館にAさんを連れて行ってあげたい!!

デイサービスの外出レクとして

なんと、その博物館に行ってしまいました(笑)

Aさんは大喜び✨

制服の展示をみたり、

電車の運転席に乗って

懐かしそうにはしゃいでいました。

「あ~連れて来て良かった!!」


Aさんは運転手時代の制服を全部保管されていました。

博物館に展示された制服を見て

「ワシが持っているよりここに寄贈したほうがいいな」

とおっしゃいました。

そして博物館の方にお話をすると

「ぜひお願いします!」との事でした。

後日、Aさんの現役時代の制服を

電車博物館へ贈りました。

Aさんはその後、老衰で亡くなってしまいましたが

ご家族は

博物館へ連れて行ってくれた事や

制服寄贈を代行した事を

とても感謝してくださいました。

Aさんは穏やかで

職員を気遣ってくれた

とても優しい方でした。

Aさんも

いつも私たちを

見守ってくれていると信じています。



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