「生活相談員のやりがい」①デイへ行きたくない

生活相談員のやりがい

頑固なAさんをデイへ引っ張り出す

私は主にデイサービスで生活相談員として勤務していました。


8年前、ケアマネからある相談がありました。


「90歳男性でね、 活動意欲低下、出歩かなくなったの。

デイサービスなんて行きたくないって言うんだけど

なんとか連れ出してくれないかなぁ」との事でした。


お試し利用の事前面談としてAさん宅へ訪問しました。

あまり表情はなく、

「何をしに来たんだ?」っていう表情でした。

少し話をすると

真面目に鉄道会社を勤め上げたそうで、

相当頑固な様子も伝わりました。


「デイ?とやら、絶対行かへん!」と

そっぽを向いていました。


「ん~、どうしよ」

今はとくに何も楽しみもなければ、

やりたい事もないとの事。

高齢者にはありがちですね。




私は生活相談員として

面談時には、本人との会話はもちろん、

家、家周り、部屋の様子をさりげなくですが

しっかり観察して

「その方」を出来るだけ知る材料を見つけることに

全力を注いでいました。


するとものすごく上手な

習字が飾ってありました。

Aさんが書いたそうです。


ちょうど習字教室を始めたばかりであったため、

「Aさん、今度習字教室があるんですが

参加されませんか?」


「いや、これちょっとストレートすぎるかな?」

と思いつつも、直球で行きました。


「すると、習字教室?習字なんて何年ぶりか?

2年前までは社協へ習いに行ってたよ」

とおっしゃっていました。

「ヨッシャ!」

「まだ参加人数が少ないので、

先生の手前、上手な方が参加してくれると

とってもありがたいのですが」

とお伝えすると

「ほうか、先生が来るのか」

と。

「お願い!先生の手前、協力してください」

とお願いをしたら、

渋々ではありましたが、

来てくださいました。



習字の先生にも協力をして頂き、

「Aさん、本当に素晴らしい字ですね!」

と褒めて頂き、

無事に本利用につながりました。

いや、本当にお上手でした。

Aさんの趣味

Aさんは習字を楽しみにデイを利用されました。

頑固さはどこへやら、

とても穏やかに

皆さんとの会話も楽しまれていました。




そして、なんとびっくりするほど

水墨画がお上手であることもわかりました。


デイにこれまで描かれた水墨画を持参されたり、

デイで水墨画を描かれるようになりました。



習字が好きな70代の女性は

Aさんをとても尊敬されていて

それもAさんにとっては

ほんわかした楽しみにもなっていました。


~次回へつづく~


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