「母親を介護する独身男性」

忘れられない家族

トッティーとツッチーの息子さん

この二人の利用者の介護者は独身の息子さんでした。

トッティーとツッチーについてはこちら↓


お二人とも、息子さんと二人暮らしでした。

そして、息子様たちは初めて就職した会社で

ずっと勤務されていました。

お母さんたちは私の勤務する小規模多機能を利用していました。

施設でも職員泣かせだったで、

家でもとても大変であったと思います。

ときに泊りサービスを利用されていましたが、

80~90代の女性は若い頃にお勤めされていた方も少なく、

年金も多くはないため、

サービスを多く利用する事は金銭的にも厳しいです。

仕事をしながら、

歩く事ができる要介護5の認知症のお母さんを

介護するのは本当に大変であったと思います。


でもお二人ともお母さんが大好きで、

認知症のお母さんを決して怒ったりはしませんでした。

ツッチーの息子さんは

「お母ちゃんは一生懸命生きすぎて

疲れちゃったんだよな」といつも声を

かけていらっしゃいました。

トッティーの突然死

ある日、トッティーの食欲がありませんでした。

いつも食欲旺盛で、他人様の食事にも手を出す

トッティーでしたが、

食欲だけがありませんでした。

すると次の朝、息子さんから

「母が亡くなりました」と連絡がありました。

「え!?」

1日食欲がなかっただけで、

行動はいつもと変わらなかったのに・・・。

死因は「腸閉塞」でした。

だから食べられなかったんだ・・・。

トッティは、自分の気持ちや痛みを表現できない

認知症でした。

お母さんの突然の死を

息子さんはなかなか受け入れられない様子でした。

トッティーが亡くなってから1か月後、

偶然スーパーで息子さんに会いました。

すると

「実は仕事を辞めたんです。な~んか、あんなに手のかかった母がいなくて

自分はもぬけの殻になっちまいました」

と言われていました。

お母さんの介護が息子さんの日々、心を占めていたんですね・・・。

ずっと勤めていた会社。

勤め上げれば年金もしっかりあるでしょうし、

昇給、昇格もしたでしょう。

しかし、

お母さんの死によって

全部捨ててしまったそうです。



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